福祉用具の山口です。
車椅子や介護ベッドは廃用症候群(筋肉などを使わないことで歩く、起き上がるなどの機能が低下し、歩行障害や寝たきりを起こすこと)を助長するのでしょうか。
福祉用具は本人に残された力を発揮しやすくするためのもので、決して楽をするためのものではありません。
また、自分の力で起き上がり、歩きやすくすることで外界(居室の外や地域社会、そして人)とのつながりを取り戻し、または強くするためのものです。
例えばA地点からB地点への移動が目的である場合、極論すれば、主介護者(主にその人を支援する人。在宅においては主に配偶者や子どもなど)が本人を持ち上げて運んでしまえば、その目的は達成されるのです。
しかし、介護ベッドを使うことで自分の力で起き上がり、杖や車椅子を使うことで自分の力でB地点への移動が出来たらどうでしょう。
その人は自分の好きな時に、自分の力で、B地点に限らずに自分の好きな場所へ行くことが出来るのです。自分の力で社会に出て、人とのつながりを持つ。さらに、家族の負う介護の負担を軽くし良好な家族関係を保つ。自分の力で生活し、その生活を豊かにすることが出来るのです。
しかしそのためには、本人が「自分の力で移動をしたい」と思うことと、そのための訓練などの努力をする必要があります。介護ベッドの使い方を覚え、杖を使って安定した歩行をし、車椅子の操作を練習する必要があるのです。
また、本当は歩けるはずの人が車椅子を使うことによって、移動は出来たとしても、歩くことをやめてしまうこともあります。
人は訓練をするために生きる生き物ではありません。訓練のための生活になってしまっては本末転倒。生活し、その生活を豊かにするための訓練でなければいけません。
これは福祉用具の適用に限らず、全てのケアに対して言えることではないでしょうか。
生活を支援するというのは、難しいですね。






