福祉用具の山口です。
福祉用具は便利です。歩くことができない人が自分の力で行きたい場所へ自由に行くことができます。眠る時に安楽な姿勢を保ってくれます。足が痛くて遠くまで歩けない人が、ベッドのそばの簡易トイレで用を足すことができます。
さて、支援を必要とする人には支援を必要とする理由があります。そして提供する支援には理由があります。それは福祉用具の適用も同じです。
車椅子には大きく分けて自走式と介助式の二種類があります。自走式は後輪が大きく、後輪の外側には手で押すための輪が付いています。介助式は後輪が小さく、手で押すための輪は付いていません。
例えば歩行が困難な人がいるとします。そしてその人が移動するためには車椅子が必要だとします。さらにその人は短肢症(海豹肢症。先天性の疾患で手足の長骨の欠損や発育不全のまま生まれる形態異常。サリドマイド服用に由来するものが有名)で、両腕がありません。
この人に、「自分で動かすことができる」機能のある自走式車椅子を提供しても、押す腕がないためその機能を使うことはありません。「自分で動かすことができる」と言う、一見便利そうな機能は実は無駄で、車輪が大きいために畳んでも場所を取る、と言うデメリットが残ります。
我々も、便利グッズの売っているショップなどに行くと、つい色々欲しくなってしまいます。「これ便利そう」とか、「これがあればこんな使い方ができそう」とか、テンションが上がるでしょう。しかし、そうした「便利そうなもの」を買い集めて、その全てを有効に使っているでしょうか。私は結構、埃をかぶせています。
便利そうなものをたくさん使って本当に便利かと言うと、実はそうでもないのです。






